靴とバッグの大きな違い

靴とバッグには素材が共通する場合もあるのですが、大きく違う事があります。

こんにちは。イントロダクション　オーナーデザイナーの工藤です。

たまに、靴のデザインをして欲しいと
言われることがありますが、お受けしていません。

雑貨の中でも、専門のバッグ・財布のの企画は、
１からオリジナルを創っていきますが、靴は、
すでにあるデザインを表面的に少しアレンジしたり、
素材を乗せ替えたりするくらいしか出来ないので、
お受けしないのです。

素材も革や雑材は、共通するものもあるのですが、
１から創るのに、徹底的に違うのは、
そこに体重、重力のかかる靴と、
その中に物を入れて吊すバッグとの、
力の係り方にあるのです。

バッグや財布は専門なので、そこにどんな物を
どう入れたらどんな風になり、
力はどう係り、
どんなフォルムになるのかわかりますので、

そのデザインや素材に合わせて、
補強芯を入れて行くことで、持って頂いた時の美しいシルエットを
創っていきますが、靴は、そこがサッパリ解らないのです。

昔、知り合いの靴のメーカーの社長に、
靴のデザインを依頼され、ラフスケッチを描いたことがあります。

「だから～、根本的に…」と、一通り、
靴の力学的なうんちくを聞かされました。
全くなってなかったようです。
バッグとの違いが、とても新鮮で面白かったです。

次に、靴のデザイナーでもあるその社長に、
バッグのスケッチ描いて貰いました。
今度は私が、
「だから、根本的に…」が始まりました。（笑）

お互いに、すでに市場にあるベースの靴やバッグの、
表面的なデザインを軽く受けるような仕事はしたくないので、
違いが解るからこそ、相手の仕事をリスペクトして、
専門以外の仕事を受けることはできないのです。

奥が深くて、難しいのが、よく分かるので、
専門以外には、手を出さないのです。

専門分野で、きちんとプロとして、仕事をしていきたいのです。