創作の姿勢 私のバイブル
昔々、バブルの頃、社会に出たての20代の私は、
約40万円の写真集+ファブリック帳を買ったのです。
36回分割払いで。
こんにちは。イントロダクション オーナーデザイナーの工藤です。
当時勤めていたバッグの問屋に、
高い芸術書専門の営業マンが、法人向けに営業に来ました。
オーナーデザイナーと一緒に、小娘の私は、見せて貰ったのですが、凄いっ!
三宅一生が、世界のISSEY MIYAKEとして、
この人抜きでは考えられなかったという
ミヤケイッセイのファブリックデザイナー 皆川魔鬼子のファブリック帳で、
世界中の大自然の中でファブリックを最大限生かすため撮られた写真集と、
カラーチャート、
そしてもうすでに織機や職人がいなくて
再現不可能なものも含まれたファブリック帳
の3部作になっていて、また、装丁がいい意味バブリーなんです。
ファブリック帳があるため、
限りある生地の数から、世界1000部限定とのことでした。
バブルって、
あまりいいイメージのない世代もあるでしょうが、
世の中が景気がいいからできた事、
やらせてもらった事もたくさんあるのです。
この話の私の場合、
バブルだったからこの本を分割でも買ったというのではなく、
バブルだったから制作できたであろう贅沢な装丁、
そして何よりも超一流の物創りを、
写真集だけではなく、実際のファブリック帳として手元に永遠に置いておける
贅沢を味わう事ができたのです。
20余年経った今見ても、
全然古くなく、常に新鮮な驚き、衝撃があるのです。
どんな時も背筋をピンと伸ばされます。
カラーチャートの黒のコピーに、
「黒は熱を感じなくなった火の色」と言う一文があって、震え上がりました。
今見ても、震え上がります。
そして、今自分がしている仕事は、はずかしくないか、常に問われます。
キチンと仕事に向き合えているか、
言い訳はしていないか、
誠心誠意、今の自分にできる事はできているのか。
凄い方です。
日本でも、ファッション系の図書館では閲覧できると思います。
神戸ファッション美術館ライブラリーには、あったはずです。
昔、通っていたデザインの専門学校の先生に見せた所、
『お前は、この本をもっていることで、
色々な人に出会っていけるだろうね。』と言われました。
本当にそうでした。
私が偉い訳でなくて、この本を持っている事で、
時代を超えて、色々な方と話が豊かに膨らんで行く贅沢な贅沢な宝物です。
私の創作の原点となる姿勢が、そこには有ります。
本当に、凄いんですよ!
・・・何が凄いのか、全く伝わらないですね。すみません。